2018年02月19日

「あるべき姿」を失わないために


 作家の林望さんは、50歳になってから「ソルフェージュ」を始めたそうです。

ソルフェージュとは、楽譜を見てすらすらと歌えるようになる訓練のことです。


 林さんは子供のころから、バイオリンなどを習っていました。

しかし、楽譜を見てただちにそれを音として歌うというのは、また別個の才能であり、

教えを受けた林さんも、子供のうちから訓練しないかぎり、上達はおぼつかないと

思っておられたそうです。


 ところが、熱心に学ぶうちに、最初のころは難しく見えていた楽譜が、不思議に

読め、歌えるようになったそうです。

これにはご本人はもちろん、教えていた先生もびっくりされたそうです。


 「そこで思ったのだが」と林さんは書いておられます。

「人間の能力というのは、努力によって必ず開発できる。何事もあきらめては

いけない。日常に流されて、努力を怠れば、その分『あるべき姿』までも

失ってしまう。人として生きて、それほど残念なこともあるまい。」




Posted by 中川知博 at 08:00│Comments(0)
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