2018年08月06日
信頼が良い結果を生む
松下幸之助さんは、経営の基礎は人であるとして、つねづね「松下電器は
人をつくっている会社です。あわせて電気製品をつくっております。」と言い
社員にもその理念が徹底するように厳しく指導されました。
昭和の初め頃、石川県金沢に出張所を出すとき、その責任者として
20歳をすぎたばかりの若い社員を派遣しました。
本人は、入社してわずか2年の経験しかなく、与えられた大役にびっくりしました。
しかし、松下氏は、その若い社員でも必ずできる、と思っていました。
氏はそれまでの自分の経験から、その若い社員個人に対する信頼はもとより、
もっと広い、人間そのものに対する信頼というものを持っていたのです。
戦国時代の武将が十代で、大いに活躍したことや明治維新の志士たちの
働きぶりの話をして、「大丈夫、きっとできる」と激励しました。
すると本人も感激し、引き受けることを決意したので、松下氏も
喜んで送り出したのです。
その社員は、直ちに金沢へ行き、活動を開始し、毎日のように手紙で松下氏に報告し、
ついに立派な出張所を開設したのです。
このケースの大切なポイントは、任す側が、任せる相手をとことん信頼しているという
点です。
Posted by 中川知博 at 08:00│Comments(0)