気働きで自分の存在感を

中川知博

2018年11月19日 08:00



 あなたが、家族のだれかから、「お風呂を見てきてほしい」と
頼まれたとき、「は~い」と言っては見たものの、どうしますか?

 幼いころ、私たちは、上のほうは熱くなっていても、下のほうが
まだ水であることを発見し、よくかき回さなければわからないことを
肌で体験しながら成長してきました。

 ところがこれで終わりでしょうか。ほかにすることはないでしょうか。

 そうです。お風呂を見るということは、湯加減をみて、タオルがあるかどうか、
石鹸が小さくなっていないかどうか、といったことを点検し、これからお風呂に
入る人が、何不自由なく入れるように準備する、という意味が含まれるのです。

 頼まれたことだけでなく、何かほかにすることがないかと気を配る、
気を利かせる、いわゆる「気働き」が大切ということです。

 暑い日に、外から訪れたお客さんに、飲み物と一緒におしぼりを添える
といった、ささいなことに心を使うことが、「気働き」です。
あなたを素晴らしいと他人が感じるのは、ひとつのことをする時に
ほかにもやることはないだろうかと、「気働き」できている瞬間を見てもらった
時なのです。