心はいつもいい方向に
京都の大徳寺のそばに、「泣き婆さん」と呼ばれる人がいました。
このお婆さんには、二人の息子がいました。
一人は「傘屋」を、もう一人は「雪駄屋」(草履屋)をしていました。
泣き婆さん、と呼ばれる理由は、いつも雨が降ると、雪駄屋の息子がかわいそうだ。
晴れた日には、傘屋の傘が売れないので、かわいそうだと泣いてばかりいました。
その様子を聞いた大徳寺の和尚さんは、「お婆さん、なぜ晴れた日に「雪駄屋」の
息子のことを、雨の日は「傘屋」の息子のことを喜ばないのか」とさとしました。
そうか、いつも悲しんでばかりいず、喜んだらいいのだと気づきました。
その日から、今までの考え方を180度転換しました。
以後、世間の人は「笑い婆さん」と呼ぶようになりました。
このお話の一番大切なことは、いい日だ、悪い日だということは、
自分で決めているだけです。
事情は(天候)は、少しも変わっていません。
なのに、進んで自分から悪い日だと思うから、心も悪くなっていくのです。
心の持ち方は、常にいい方向に向けてはどうでしょう。