2018年02月19日

「あるべき姿」を失わないために


 作家の林望さんは、50歳になってから「ソルフェージュ」を始めたそうです。

ソルフェージュとは、楽譜を見てすらすらと歌えるようになる訓練のことです。


 林さんは子供のころから、バイオリンなどを習っていました。

しかし、楽譜を見てただちにそれを音として歌うというのは、また別個の才能であり、

教えを受けた林さんも、子供のうちから訓練しないかぎり、上達はおぼつかないと

思っておられたそうです。


 ところが、熱心に学ぶうちに、最初のころは難しく見えていた楽譜が、不思議に

読め、歌えるようになったそうです。

これにはご本人はもちろん、教えていた先生もびっくりされたそうです。


 「そこで思ったのだが」と林さんは書いておられます。

「人間の能力というのは、努力によって必ず開発できる。何事もあきらめては

いけない。日常に流されて、努力を怠れば、その分『あるべき姿』までも

失ってしまう。人として生きて、それほど残念なこともあるまい。」

  


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2018年02月05日

気づきにくい恩


 私たちは、いつも身の周りにあって、存在にも気づきにくいものには、

それがどれほど大事なものであっても、あたりまえ、当然のことと思って、

恩を感じる心はなかなか生まれてこないようです。


 気づきにくい恩を意識して、何らかの形でお返ししようと、例えば、

ボランティアなど、社会への恩返しとなって表れてきます。


 次に紹介するのは、恩返しする相手はわからないけども、受けた恩に

なんとか報いようとする人の話です。


  —終戦の翌年、私は高等女学校の一年でした。食料難と着るものも満足にない日に、

  外国から古着が送られてきました。

  1学級に5枚の割り当てがあり、その中の大人のコートをいただくことができ、

  自分で作り直し、大切に2年着て、妹に譲りました。


   お礼を言いたいと思いましたが、私は社会への恩返しを誓いました。

  そして編み物教室をやめてから、毛糸のえり巻きを千人の人にお返ししようと思い

  5百枚を編み上げ、施設などに3百枚を贈りました。

   
   次はどなたにあげようかしら。私は健康に感謝し、目標の千枚の達成に向かって

  楽しく今日も編んでいます。(毎日新聞読者投稿より)



 人から受けた好意は、いつまでも感謝する心を忘れず、してあげたことはすぐ忘れたい

ものです。恩は売るものではなく、忘れないことが肝心です。


    


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