2019年03月18日

親孝行の原点

 中国の古典『孝経』の中に、「身体髪膚これを父母に受く。敢えて毀傷(きしょう)せざるは、孝の始めなり」とあります。

 これは「私たちの髪の毛一本、皮膚一片のすべてが、親からいただいたものだから、傷つけたりしないことが、孝の始めです」と教えています。

 言いかえれば、私たちが今ここにこうして命を授かり存在しているのは、すべて親が生み育ててくれたお陰ですから、その恩を感じることの大切さを言っているのです。

 これは“親孝行”に関する、昔からの教えの基本で、時代がどのように変わろうとも、不変のものです。

 又、「子を持って知る親の恩」といわれるように、自分が親になって子を育ててみて、「これは大変な苦労だ。自分も親に大きな苦労をかけたのだなあ」と、初めて親のありがたさと、その恩を感じるものです。

 親孝行の基本は、まず親は生命の源であり、そして子を思う気持ちの強さを知り、感じて、その恩に感謝する気持ちを、自分の心の中に育てることです。

 子を思う気持ち、即ち“親心”は、思いやりの心です。その思いを感じられるかどうかが親孝行をする原点です。
  


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2019年03月04日

子育ては ”親育て” ”心育て”

 親は、最初から親だったのではありません。日々子供と向き合っていく中で、

子供と共に学びながら親になっていきます。


 友達の家に遊びに行ったとき、部屋の中でふざけて走り回っているうちに、

花瓶を割ってしまいました。家に帰っていつもより元気のないことに気づいた母親は

事情を知り、一緒に謝りに行きました。

 
 そのお母さんの思いは、子供が悪いことをしたとき、親は親として責任を取る姿を

子供に見せることが大切だと思ったからです。

 
 親は子を育てますが、親も子によって親として成長するチャンスを与えられると言えるでしょう。

 
 親は、子の失敗にねばり強くつきあい、そのつど親としての自覚と、子供とのきづなを

深めていくことが、大切です。

 
 子育てを通して、親も子も心が育つ…まさに、子育ては、”親育て” ”心育て”といえる

のではないでしょうか。
  


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2019年03月02日

天皇は祭司

 天皇制は存続すべきかどうかという事より、まず現在も連綿として歴代天皇が行っておられる日々のお仕事を見ればよくわかります。こうした事は、一部の人が知っているだけで、勿論学校でも教えないし、大人の国民の人々が素人しないのが現状です。

 これも産経新聞に連載中の石原慎太郎氏の「日本よ」を読むと、「天皇こそ、今日の世界に稀有となったプリースト・キング(聖職者王)だと思っている。……現今の世界には他に例がない。さらにいえば天皇は神道の祭司に他ならない。」と記されている。

 天皇のお仕事は、憲法で定められている国事行為(内閣総理大臣の任命、栄典の授与他7項目)、これらの事項に関する閣議決定の書類に署名・押印(年間約1000件以上)。公務と称する、新年一般参賀、国賓として来日した外国人の会見・接待、全国戦没者追悼式や全国植樹祭、天災地変の被災地への訪問による励まし、外国の訪問と、土曜、日曜もないほど多忙な毎日を送られています。

 以上の他に、年間約20件の宮中祭祀を執り行われています。この宮中祭祀は、天皇が国民のために(ここが重要—―我々がお正月お宮さんに参拝しますが、家内安全、商売繁盛、無病息災と自分のこと、わが家のことしか祈りませんでしょう)皇室の先祖である天照大神さんをはじめ、八百万の神々に、国家の安泰や五穀豊穣を祈願される儀式です。

 1月1日に行われる四方拝について説明しましょう。朝も明けやらぬ5時頃より,神嘉殿南庭で、伊勢神宮、山稜、四方の神々を遥拝される。祭典には、天皇自らが祭主となって御告文(おつげぶん)を奏上される大祭と、掌典長が祭典を行い天皇が拝礼される小祭とがある。四方拝は大祭で、天皇お一人で行われる年中最初の行事です。

 今上天皇は、ことの外昭和天皇にならい、厳格に心を込めて祭祀を執り行われています。

 このようにして皇室が万世一系に続く最大の理由は、天照大神さまの慈悲の心(キリスト教では愛、仏教でも慈悲。儒教では仁)と、歴代天皇のご聖徳によるものです。  


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