2021年09月20日

人間としての一流をめざす

 私たちは、知識や学歴を何か絶対的な価値があるもののように思いがちではないでしょうか。ともすると、人間としての価値を決定するものであるかのように錯覚していることがあります。

 松下政経塾の塾頭を10年間務め、現在は志ネットワークを創設して「青年塾」を開いている上甲晃さんは、学歴と人間の価値について、次のように述べています。

 -たとえ一流の大学を卒業していても、「自分さえよければ」という、自己中心的な考えの人は、人間として三流です。人間としての一流は、たとえ学歴がなくても、周りのひとのことを常に自分のことのように考えられる心を持つことだと思います。

 -どれほど知的に優れていても、自分の損得しか考えられない人は三流の人間だと思います。私は、みんなの得のために、自分は多少損をしてもいいから一番困難なことを「私にやらせてください」と言って手を挙げられるのが、人間としての一流の姿ではないかと思います。

 知識はそれ自体には価値はありません。知識は何のために、どのように生かしていくのかが重要です。


             (「ニューモラル」誌399号より)
  


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2021年09月06日

心の目で見る

 上の雪 さむかろな。   つめたい月がさしてゐて。

 下の雪 重かろな。   何百人ものせてゐて。


 中の雪 さみしかろな。   空も地面もみえないで。

 この詩は、大正末期の童謡詩人、金子みすゞさんの作品です。私たちは、降りしきる雪や積もった雪をみて「きれいだなあ」と一瞬は感じるでしょうが、それで終わってしまうものです。

 しかし、彼女は心の目を通して、雪をみつめています。

 私たちは、この詩にふれて、ふと現実の人間社会を雪の姿と重ね合わせ、考えさせられるのではないでしょうか。とくに、人間にはそれぞれの立場があり、周りの人たちには理解してもらえないような、悩みや苦悩、心の痛みをかかえて生きています。

 だからこそ、お互いが相手の立場を理解し、思いやる心が大切と言えるでしょう。

 今は、人のことに無関心、何を見ても無感動な時代と言われている中で、金子さんの詩は人間らしい心のあり方を提示しているようです。
  


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