2022年08月15日

日本文化の特色は「自然との共生」


 日本人は昔から自然を身近に感じ、大切にしてきました。稲作を中心としてきた文化だからこそ、稲作にとって欠かせない水や森林などの自然を大切に守り育ててきたのです。

 立正大学教授の富山和子さんは『日本の米』(中公文庫)の中で、次のように述べています。

 ――西欧では、例えばイングランドの山の森林を払って、そこを麦畑にするというのが、土地利用のパターンであった。これに対して日本では、山の緑を払ってそこを殻倉地帯にしたのではなかった。

 日本人が殻倉地帯にしたのは大河川の氾濫原であり、そこは海だか陸だか川だか分からないような葦野が原であり、その土地を洪水から守るためにも山へ行って木を植え、水を作るためにもまた、山へ行って木を植えた。

 高度に発達した文明国のなかで日本は、木を植えることで文明を育ててきた唯一の国だったのです——

 日本文化の特色は、自然を支配するとか利用するという考え方ではなく、自然を生かし、自然と共に生きてきた「共生の文化」といってよいでしょう。

 先人たちが残してくれた自然と文化を壊さないようにしたいものです。

  


Posted by 中川知博 at 08:00Comments(0)

2022年08月01日

習慣となると楽にできる


 あるスモーカーは、「習慣だからタバコはやめられない」と言います。ある人に「そんなに早くから起きて、つらくないですか」と問うと、「習慣だから平気だ」と言います。

 このように習慣は、人間にとって苦痛を強いるものではなく、すぐに停止してしまうものではありません。最初はおっくうでめんどくさく思えたことが、習慣になると、何も感じなくなるものです。

 同じこと、同じ仕事を毎日毎日くり返しやっていると、しばらくすると、楽にやれるようになります。めんどくさくさえ思えたことでも、ただひたすら毎日、例外なくやっていけば、楽になるものです。

 朝夕の通勤時間も、ただぼうっと降りる駅を待つのでなく、文庫本を読むようにすれば、やがて毎日読みたくなります。

 語学の習得、ボランティア活動、整理整頓、掃除など、すべて習慣になれば苦にならないもので、むしろ楽しくやれるかもしれません。

 物事を続けることで、楽しさも、達成感も、充実感も出てくるのです。そこまでいかずにやめてしまうのはもったいないことです。
  


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