2021年07月05日

天孫降臨と三種の神器

 天孫降臨は『日本書記』に、「天孫降臨」というのがあります。天孫、つまり天照大神さまのお孫さんが地上の国に降りてこられた。そこから日本の国が始まったのだという、肇国の神話です。

 「すばらしい国をつくりたい」と考えられた天租は、最初は自分の子供である天忍穂耳命に命ずるのですが、その準備に時間がかかり、実行できませんでした。

 そこで、天忍穂耳命は自分の子供である「にに杵尊」に、「私に変わって日本に降りていくように」と言います。天照大神さんも、「国づくりというものは若い人がいい。よし、それでは孫をやろう」ということになったのです。

 にに杵尊は、九州の日向・高千穂に向かうのです。その時、天照大神さんが「にに杵尊」にお渡しになったのが「三種の神器」です。やたの鏡、八坂にの勾玉、天叢雲剣をお渡しになり、「これを持っているものが、私の子孫の印で、日本の国を治める精神を表す印だ」と言います。その上、「この神器は、自分のそばにおいて置くように」とおおせられたといいます。

 昭和64年1月8日に「践その儀」が行われました。今上陛下が細長い箱と、四角い箱を深々と頭を下げて受け取られている写真が新聞にも掲載され、テレビでも放映されました。

 あれは、三種の神器のうちの二つです。剣と勾玉です。この平成の御世に、代々受け継がれ、天皇になられたのです。

 行幸の際も、常に両陛下のすぐ後ろに剣璽(剣と勾玉)が入っている箱を持った方がついておられます。はるか2千年以前の「そばに置いておくように」という神話の中の教えを、いまも守り続けておられます。



Posted by 中川知博 at 08:00│Comments(0)
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