2021年01月18日

見知らぬ人

 新聞の読者欄を見ると、知らない他人から親切にされて、うれしかったという投書がよく見られます。考えてみれば、同じ人間同士として、困っている時なら当然のことなのですが、いまの日本ではそれが感動的なことなのです。

 見方を変えれば、それほどいまの社会では、見知らぬ人との間の人間関係がプッツリ切れてしまっているといえるでしょう。

 孫が昨年から保育園、今年は幼稚園に通うようになりました。今は親が送り迎えしていますので大丈夫ですが、やがて一人で学校へ通う場合、近所の人でも挨拶をしてはいけないと教えなければなりません。

 私は、努めて「ありがとう」という言葉を使うようにしています。たとえば、エレベーターで込み合っていると、誰かが「開く」ボタンを押してくれるものです。そんな時に「ありがとう」と言います。

 狭い道路で待ってくれた車には、必ず手を上げお礼の意志を示します。

 住みよい明るい社会を築くためには、見知らぬ人に対しても、思いやりや感謝に満ちた言動を取りたいものです。
  


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2021年01月04日

「心の風邪」

 欧米では、うつ病のことを、「心の風邪」と呼ばれていて、誰でもちょっとしたきっかけで患ってしまう生活習慣病として身近にとらえられています。

 バブル崩壊後の経済が停滞した頃は、リストラ旋風の対象とされた中高年男性が、うつ状態に陥り自殺することが多かった。

 中高年の心は、思いのほかもろいところがあります。思春期の子供を抱える悩み、職場の人事異動や配置転換などが原因で、それまでの充実感や生き甲斐がぐらついてしまうのです。

 また、職場の人間関係にも影響され、まったく自信をなくし、悲観的になってしまうこともあるようです。その上、元の自分に戻りたいと思うあまり、余計に苦しむという悪循環におちいってしまうこともあります。

 そんな時は、どちらかというと自分のことばかりに、関心が向いているものです。

 視点を変え、自分のことを少し離れて後輩や先輩のこと、また周囲の人々のことに目を向けてみることです。

 親が子を育てるのに、苦労をいとわず、恩に着せることもないように、会社の中では先輩が後輩を育てるのも同じです。これを無条の愛といいます。

 「人を育てる」ということが、自分にとって大きな喜びになっていた時もあったはずです。外に感心が向いていると、自分のことなど忘れるものなのですね。
  


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