2022年01月17日

「人にほめられる人よりも、人をほめる人になろう」


 アメリカの作家、マーク・トゥエーンは、「ほめ言葉をもらえば、それだけで二ヶ月間、幸せに生きられる」と言っている。

 誰だって、ほめられてイヤな人間はいない。それどころか、ほめられているうちにますます自信となって、その自信が新たなやる気を引き起こすものだ。

 だから、失敗をした場合でも、人はできるだけほめるほうがいい。

 「今回は失敗に終わったけど、着想は素晴らしかったよ」などと言われれば、失敗して落ち込んでいた人も、元気を取り戻す。

 女子マラソンで初の金メダルを得た高橋尚子選手を育てた小出監督も、ほめ上手で知られている。

 調子のいい時はいいでほめ、悪い日にもほめる。「今日はタイムはちょっと伸びないけど、走りは完璧だ。こういう走りの後はぐーんと伸びるんだ。いまは力をためる時期なんだ。」

 その上、マスコミを巻き込んでほめるのである。第三者を介してほめ言葉を伝えると、直接ほめる以上に、本人に勇気と力を与えることをよく知っているからである。

 ほめ言葉には、相手のやる気を呼び覚ます不思議な力が込められているものだ。
  


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2022年01月03日

心の自由とは


 心が傷つくと、ものごとを悪いように、否定するようにとらえがちになります。

 いかに過酷な状況に置かれても、心の自由を失うことなく、「希望」に生きた人の体験は、心のあり方を考えるうえで大きな示唆を与えてくれます。

 第二次世界大戦中にナチスドイツに捕らえられて収容所に送られ、ガス室で殺される恐怖の中で九死に一生を得て帰還した人の中に、精神科医のヴィクトール・フランクルがいます。

 フランクルは、この収容所での体験をもとに、極限状態に置かれた人間のようすを書き記しました。その中で、生き続けることができた大きな原因は、決して体の頑強さではなく、「希望」があるか、ないかであったと述べています。

 「再び妻子に会える」「母に会える」「やりかけた仕事を完成しよう」という希望を持ち続けたかどうかでした。

 フランクルは、この経験から次のように述べています。

 「人間の自由とは、諸条件からの自由ではなくて、それら諸条件に対して自分のあり方を決める自由である」

 そして、これが他の動物と異なる人間の「心の自由」であると言っています。

 人は、どんな苦しみの中であっても、相手にほほ笑む ”自由” を持っています。同時にどれほど恵まれた条件の中でも、人を恨んだり、不平や不満を叫ぶ ”自由” も持っているのです。

 置かれた状況を否定するのでなく、「希望」「喜び」「感謝」「信頼」につながるように受けとめていくことが大切なのではないでしょうか。  


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