2022年05月16日

優しさ

 若い女性が、男性に求める条件の中に「優しい人」というのが必ず含まれています。

 ひとくちに優しいといいますが、よく字を見ると、人べんに憂いと書き、人が憂いのそばに寄りそった姿が優しいといえるでしょう。

 しかし、いまの私たちは、人の憂いを自分の心の痛みとし、その人に寄りそうということをしているでしょうか。

 また、沖縄の古語に「肝若さ」という言葉があります。これは、人が痛み苦しんでいると、自分も肝が痛みふるえるという意味です。

 つまり、悲しみを共有するという、優しさの原点を感じさせる言葉です。

 本当に、周りの人を思いやり、優しくするということは、うわべの形だけのことではなく、自分もともに、その人たちと一体となって苦しみ、その一端を担う事といえるでしょう。

 作家の曽野綾子さんは「結婚するということは、将来起こるかも知れない相手の苦労を、自分が引き受けることである」と語っています。

 これが本当の夫婦の優しさといえるでしょう。
  


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2022年05月03日

ボタンの掛け違い


 「おいしい物を食べる」と「おいしく物を食べる」とは、一字の違いですが、その意味は大きく異なってきます。

 「おいしい物を食べる」は、高級料亭やレストランを想定して、お金も必要です。そのためあくせく働いてお金をため、一度の快楽を求めます。

 一方、「おいしく物を食べる」は、質素な家庭料理であっても、家族が団らんの中で、いつも行うことができます。

 「楽しい人生を生きよう」と「楽しく人生を生きよう」も同じことが言えます。

 「楽しい人生を生きよう」とすると、何か堅苦しい人生を生きようと考え、かえって他人を傷つけたりします。うまくいかなかった時など、自分も傷ついて悩むことになります。

 「楽しく人生を生きよう」と考えれば、たとえお金がなくても、地位がなくても、思うようにいかなくても、心は何の束縛もなく、楽しい人生が送れます。

 ちょっとした考え方の違いによって、このように人生を大きく変えることができます。

 人生とは、いかに楽しく生きるかです。そのヒントは、ボタンの掛け違いをしないことです。
  


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