2020年05月04日

贖罪国家日本 NO2

 前回は、西欧国家の状況について述べましたが、日本の現状は、どうなっているのでしょうか。

 日本は戦後、フィリピン、ベトナム、ビルマ、インドネシアに計4780億円を賠償し、韓国に対しては国交を回復するにあたって、当時の韓国の国家予算を上回る巨額の賠償金を支払いました。

 一方、中国とは本来解決済みです。終戦直後、蒋介石は「恨みに報いるに、恨みをもってせず」の儒教の教えのもと、すべての請求を放棄したからです。ところが日中国交回復の際、田中角栄首相が賠償金の代わりに、経済援助を中国政府に申し出て、賠償金問題が事実上復活します。この30年間に、返す意志のない円借款として、その額は実に10兆円に及びます。

 日本が、贖罪国家に転落する決定的な契機を作ったのは、鈴木善幸内閣でした。1982年の「教科書誤報事件」に端を発しています。当時宮沢喜一官房長官は、中国の内政干渉に屈して「政府の責任において修正します」と謝罪してしまったのです。

 種をまいたのが宮沢なら、苗を育てたのが、細川内閣です。一国の最高責任者である細川首相が、大東亜戦争を侵略戦争と安易に認めてしまったのです。自衛の戦争であったはずが、この瞬間に、国際社会には紛れもなく、侵略戦争になってしまったのです。

 その後の各首相は、坂道を転げる雪だまのように自虐史観が膨張していきます。特に、村山富市政権下で終戦50周年を機に、日本の戦争責任を認め、謝罪の使節団を派遣する始末で、マレーシアのマハティール首相や、フィリピンのラモス大統領から「50年前の戦争を、なぜ詫びるのか。イギリスやアメリカは侵略しても詫びてこない」とたしなめられ、失笑をかいました。

 もはや、どの政治家も「日本は侵略国家である」と、疑わないという、恐るべき状態になっています。日本の借金は、約1千兆円に達すると言われています。

 それ以上に、「日本は侵略国家」であるという精神的なツケを、子々孫々まで残すことになるのです。その負の精神遺産が、今後どれだけ大きくのしかかってくるのか、思いが至らないのが、いまの日本の現状です。


Posted by 中川知博 at 08:00│Comments(0)
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