2023年03月06日

信頼が良い結果を生む

 松下幸之助さんは、経営の基礎は人であるとして、つねづね「松下電器は人をつくっている会社です。あわせて電気製品をつくっております」と言い、社員にもその理念が徹底するように厳しく指導されました。

 昭和の初め頃、石川県金沢に出張所を出すとき、その責任者として、20歳をすぎたばかりの若い社員を派遣しました。本人は、入社してわずか2年に経験しかなく、与えられて大役にびっくりしました。

 しかし松下氏は、その若い社員でも必ずできる、と思っていました。松下氏はそれまでの自分んの経験から、その若い社員個人に対する信頼はもとより、もっと広い、人間そのものに対する信頼というものを持っていたのです。

 戦国時代の武将が十代で大いに活躍したことや明治維新の志士たちの働きぶりを話をして「大丈夫、きっとできる」と激励しました。すると本人も感激し、引き受けることを決意したので、松下氏も喜んで送り出したのです。

 その社員は、直ちに金沢へ行き活動を開始し、毎日のように手紙で松下氏に報告し、ついに立派な出張所を開設したのです。

 このケースの大切なポイントは、任す側が、任せる相手をとことん信頼しているということです。




Posted by 中川知博 at 08:00│Comments(0)
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