2023年04月03日
今 何をすべきか
古い話ですが、黒澤明監督 志村喬主演の「生きる」という映画がありました。この映画の内容は、人生の真実なる生き方を世に問う作品でした。
志村喬さんが演ずるのは、ある役所の万年課長です。彼は与えられた仕事はそつなくこなし、大過なく生きてきました。日々の生活も無難をモットーに、さしたる目的や希望を抱くことなく、ただなんとなく無気力に過ごしてきました。
そんなある日、体の具合が悪くなり病院に通うようになり、やがて癌だと知り、自分の死期が目の前にせまっていることを感じ始めるのです。
死の淵に立たされた彼は、初めて自分の人生を振り返り、自分が過ごしてきた50数年がなんと味けない無意味なものだったのか、と気づくのです。
そこで彼は、残された時間を精いっぱい生きようと決心します。やがて公園づくりに励む彼の姿が生き生きと描かれていきます。
ついに公園は完成し、彼は生まれて初めて満足感を得ます。自分の死とともに。
人は、死と向かい合ったり、絶望のどん底へ落ちないと、自分自身を見つめないのかもしれません。
私たちは常に、人からの意見や批判を謙虚に受け取め、自分を客観的な立場に置いて、自分自身を見つめていきたいものです。
Posted by 中川知博 at 08:00│Comments(0)