2020年09月07日

作った人の思いを大切に

 法隆寺に代々仕える宮大工の家系に生まれ、平成7年に亡くなった西岡常一さんは、法隆寺の解体修理や藥師寺伽藍の再建などを手掛けた名棟梁でした。西岡さんは、宮大工の仕事を通じて、木のいのちを生かすことを考えてきました。

 西岡さんは、木には二つの命があると言っています。一つは木の命として樹齢、もう一つは木が用材として生かされてからの耐用年数のことだそうです。そして、樹齢と同じだけの耐用年数を木に持たせることが、自然に対する人間の義務であり、そのために大工がそれぞれの用材の癖を熟知して、それに合った使用方法を選ぶことが必要だと述べています。

 自然から与えられた素材は、物を作る人たちの手を経て、新しい命が吹き込まれます。

 西岡さんは、法隆寺の解体修理に携わる中で、飛鳥時代の職人の技術の高さに、深く感銘を受けています。1300年の風雪に耐え、今なお創建当時の姿をとどめているのは、高い技術があってのことです。

 物を大切に使うということは、「それを作った人や、使い続けてきた人たちの思いを大切にする」ということにつながります。

 私たちは者を通じて、自然の恩恵を受けています。自然の恵みに対して感謝し、物に与えられた命を大切に使っていくことが、私たちの責任ではないでしょうか。
  


Posted by 中川知博 at 08:00Comments(0)